一体どんだけひっぱるんだこのしょーもない年末オランダ旅行記…でございますが
今日こそ、いよいよ本編完結といきたいもの。
アムステルダムから南東へ、ドイツ国境に近い街アーネム(Arnhem)へ。
刺激的なアムステルダムの喧騒とはまた雰囲気も違って…
のどかなライン川の流れに沿った美しい街アーネム。
こちら庭園都市、公園都市などとも呼ばれるそうですが、さもありなん。

夕暮れ。ライン川のほとり。
さて、
今回、思いつきオランダ旅行ということでしたが、実は「思いつき」だけでもなく
(アムステルダムに関しては確かに思いつきなのでアムスには非常に失礼…汗)
壮大な準備の下に進められた(嘘)ひとつのミッションがございました。
その舞台となるのが、このオランダの地方都市、アーネムにあります。
われわれにとって今回の旅の集大成、いよいよ真打ち登場…!
趣味嗜好がバラバラで全く共通点のなかった私たち夫婦ですが、
チェコに来たことによって芽生えた、二人で共有できる楽しみ。
歴史好き、軍事好き(戦車好きのトマ夫、軍服好きな私)そして移動好きという
私たちの好みを兼ね備えたもの…
それが、
「第二次世界大戦(ヨーロッパ戦線)の戦地めぐり」なのでございます。
こちらアーネムは、先の大戦中に連合軍がドイツ進軍に際して行った
「マーケット・ガーデン作戦」(Operation Market Garden)の舞台になります。
オランダ国内では多くの河川を越えるため、空挺部隊(パラシュート部隊)を導入し、
多くの橋を同時に奪取するという作戦。
アーネムでの戦闘は、作戦最後にして最大の激戦となりました。
これによって連合軍側は、英軍の第1空挺師団が壊滅するという大損害を受け、
作戦は失敗に終わったのです。
この道路橋(「ジョン・フロスト」橋)が激戦の舞台。
戦後すぐに街の全面的復旧が始まり、当時の英軍指揮官;大隊長ジョン・フロストを
たたえ、その名を冠して当時の姿のまま再建されたとのこと。

この激戦は往年の戦争映画の大作
『遠すぎた橋 (A Bridge Too Far)』(1977年:リチャード・アッテンボロー監督
作)で描かれています。
橋のたもとには、インフォメーションセンター。

アーネムの戦史観光の情報基地になります。
退役軍人のようなおじいさんがマンツーマンでびっちり対応、サービス満点ですな。
当時の戦闘の状況、戦闘で亡くなった兵士の生涯などパネル展示がメインです。


このジョン・フロスト橋とともにアーネムでの観光目玉としていたのが
アーネムの街からすぐ、Oosterbeek(オーステルベーク)というところにある
Hartenstein(ハルテンシュタイン)という建物です。
当時、マーケット・ガーデン作戦において連合軍側の作戦司令部となったところで
現在は Airborne Museum(空挺博物館)となっておりまして
トマ夫はここが楽しみで楽しみで…はるばるチェコから来たというわけなのです。
アーネムに着いたのが夕刻だったこともあり
この最後の目玉は明日の楽しみに、というわけでいったんホテルへ戻ります。
フロントのお姉さんが非常にフレンドリーで好感度高し。
準備はぬかりないけど、まあ年末だし開館時間の変更があるといけないし
確認しとこうか、と空挺博物館の開館時間を問い合わせたところ。
「ああ、あのミュージアムは今改装中で、来年夏まで閉館中ですよ~。」
周知の事実といった感じで、かる~く返答。
あなた、いまスゴイことさらっと言わなかった…?!
…
……え…?
な、なんですと…?
一瞬耳を疑った rebuild と closed という響き。
聞きマチガイじゃなかろうか、いやそうであってほしい、と何度も食い下がるトマ夫。
エアボーン、エアボーン(airborne=空挺)とうわごとのようにつぶやき
(そんな軍事用語フロントのおねえちゃん知らんわ。。。)
すっかり気持ち悪い人と化している憐れな我が夫。
「もう一度確認してみますね。」と電話までかけてくれた信じられないほど親切な
フロントのお姉さん、ありがとう。もういいです、それが現実ですから。
老朽化に伴う改装工事で来年(2009年)の夏まで閉館中という事実は変らず。
ガーーーーーン!!トマ夫、ヴァージンショック!!(byシブがき隊)
「It's a pity! テヘッ☆」残念ね~って感じでかわいくコメントをくれたお姉さんを
尻目に…わたしはトマ夫の
魂が抜けていくさまを見届けました(笑)
あれーちゃんと博物館のHP見たんだけどな~~~、見落としていたか。
こ、このために1200キロかけてきたのに。。。とあまりのショックに
移動の疲労がガクッと出て、極寒の中をさまよったツケか…
その夜は二人して引きはじめの風邪がとたんに悪化…もう地獄です。
そんなわけで、いよいよオランダを発つ日、一応、工事現場だけでも見届けようと

行ってまいりました、エアボーンミュージアム。
羽ばたくペガサスのシンボルは英国第一空挺師団の旗印。

おもいっきり掘り返されとります~。ブルーシートが哀しいです。


工事も年末の休みに入ったようで、板とか放置ですよ、放置…。
M4A4 シャーマンが静かに佇んでおります…。
広大な敷地で、周囲を公園に囲まれています。
冬の青空はどこまでも高く近所の子供たちの楽しげな声が響くさまは……
我々には一層せつなさを誘うひと時。
・・・
さらばアーネム。。。来年のリニューアルオープンに足を運びたいけど、もう無理だ…
チェコ・ブルノへの帰路へつきます。
その途上にもう一軒、ミリタリー関係のミュージアムがありまして、覗いてきました。
Arnhem War Museum 40-45
実は、個人的にはこのミュージアムに出会えてかなりよかった!!。
なんでしょう、オランダのミリタリーマニアが作っちゃいました!といった感じの
手作り感あふれるミュージアム。
オランダにナイトスクープがあったら小枝探偵が行くところでしょう、パラダイス。
私のツボに入りまくりの空間でした。
戦時中のオランダの市民の生活や、戦時中使用された武器の数々など
もともとコレクションとしてあったものを博物館として一般に公開されたようです。
なんというかコンセプトもあるのかないのか?あらゆる角度から攻めてきますよ。

入り口から通路いっぱいに飾られている銃器の数々。

当時の市井の人々の生活をうかがい知るにはぴったりの生活雑貨。
オランダ国旗の前に立つ彼から…

怒涛の面白ジオラマスタートです。
(おもしろくするために作っているわけではないと思いますが…)

状況は全く分からないのですが、「待ち伏せ」というタイトルをつけました。

通信兵でしょうか。トトト・ツーツーツ・トトト(SOS)です。

トイレからレジスタンス。
ふざけた書き方してしまい申し訳ないのですが、
至ってまじめな施設です。
そしてここもミリタリー同好会?と思しきオジサマ3人組が、マンツーマンで館内の
案内をしてくださいました。
なんですか、オランダはマンツーマンがデフォなのですか?親切です。
***
肝心の空挺博物館は残念の休館で我々の作戦遂行は失敗…か?
でも年末のオランダ上陸作戦、これにて終了。
そのまま夕方4時にアーネムを出まして、そのままぶっ続けで走りつづけ
翌日早朝6時半にチェコ、ブルノに戻りました。
全行程往復2400キロ、完走です。トマ夫くんお疲れ様でした。。。
文字通り、真夜中を駆け抜けて…ヨーロッパ大陸走りぬけて。
大晦日を迎えたドイツのどこかの都市のドライブインにて
店員のおばちゃんから「happy new year!」なんて粋な台詞。
なんだか映画みたいなワンシーン。
最後のいい思い出になりました。

アーネム:ジョン・フロスト橋。沈む夕日。
まさに「遠すぎた橋」。